九份の観光と穴場グルメ

九份夜迷(九份の夜にさまよう)

 台湾二日目は午前中故宮博物館へ行って、一度ホテルに戻ってからJTB経由で依頼した九份夕刻ツアーに参加しました

曇り空ですが移動中、台北の高層ビル101が見えました

清代の九份は、台湾北部基隆山にある数十人規模の山あいの小さな寒村でした、土地はやせ農業には不向きで村の人口が少なく、主に山林資源や簡単な交易に頼るしかなく、村の9世帯の生活物資を「九つ分」まとめて買いに行っていたことから、「九份」という名前になったと言われています
ところが1890年代に金が発見され街の様相は一変します、一説にはふもとの町で鉄道工事に従事していた作業員の一人が、基隆河の流れでお弁当箱を洗っていたら、その中に砂金を発見したとか
おとぎ話のようなゴールドラッシュの始まりですが、九份は金鉱の町として急成長し、1895年から台湾が日本の統治下に入った後、日本政府や企業が大規模な金鉱開発を実施、近くの金瓜石とともに九份は「東洋一の金山」と呼ばれるほど大繁栄しました
1896年には石見銀山を経営していた日本の藤田組が、この金山の経営に乗り出しましたが、日本の統治が始まったばかりの金山は治安が悪く、台湾人を採用し町の治安維持にあたらせる事になり、その中に顔雲年という人物がいました
藤田組が後に経営権を手放した時、顔雲年はそれを引き継ぎ小さな請負業者に歩合制で自由に掘らせた結果、生産量は飛躍的に拡大、最盛期は155本の坑道に6000人が働いていたそうです
ゴールドラッシュは長く続き、当時九份の町では「夜中には貧乏でも、夜明け前には金持ちになり、朝には立派な家が建つ」と正に一攫千金の夢が語られ、顔家はその後台湾の5大財閥に数えられるほど成長しました
話はそれますが顔雲年には顔恵民というお孫さんがいて、そのお嬢さんが日本でも有名な歌手の一青窈さんです
ゴールドラッシュ時には多くの金鉱労働者の為に、町には飲食店、遊興施設、行政施設がこの山間の町にところせましと建てられ、当時の日本式建築や石段の街並みが現在も残っています
しかし第二次世界大戦後、鉱山は国民政府の管理下となりますが次第に金の産出量が減少、1970年代には閉山になりは一時九份はとてもさびれてしまいました
ところが1989年公開の台湾映画『悲情城市』 のロケ地となった事で注目を浴び、その後赤い提灯が並ぶレトロな街並みが『千と千尋の神隠し』のモデル地ではないか話題となり、現在は台湾を代表する人気観光地として多くの人が訪れるようになりました
九份は地形の関係で台北が晴れても九份は雨と言われ、一年の3分の2は雨が降る地域です、出かける時はレインコートと傘は必須、今日も九份に近づくにつれ雨が降り始めました

台北16:30のピックアップで車を飛ばして約一時間、ちょうど九份に到着する頃夕暮れ時になり、夕日に照らされる海を眺めていると、日の光が消えるのと逆行するように、少しずつ九份の赤やオレンジ色の灯りが輝き始めます

サンセットと海の見える展望台へ、ほんの少し夕日が拝めました
まだ明るさ残る中、急な階段を提灯が照らし始めます

街歩きを開始すると路地に並ぶ数々のお店の間を、本当に多くの人が行きかいます、多分ゴールドラッシュ当時と変わらないくらいの人出ではないかと思うくらい、今の九份は観光コンテンツという、ゴールドに代わる創意工夫の余地がある資源で、人を集め繫栄していました
またオレンジ色の灯ろうがハロウィンのランタンの様で、ここに来ると通年お祭りを楽しめるような場所、ツァーコンダクターの方に聞くと、最近一番多いのは日本人ではなく韓国の観光客だそうで、確かに韓国語をしゃべる若い人たちが多いように思いました

千と千尋のモデルと言われる九份ですが、その説を宮崎監督は否定しています、でもその世界観を体験できるという憧れに多く人が引き寄せられ、期せずして映画のアトラクションパークのような提灯の迷路を、みんなが楽しそうに歩いているのを見ると、ここは映画の聖地なのだと思わせられます
こちらはこの料理を食べて千尋の両親が豚にされてしまったというエピソードを持つバーワン(映画の食べ物は違うらしいです)、サツマイモや片栗粉の皮に、豚肉やタケノコが定番の餡を包み揚げたり蒸したりしたもの、前記の経緯からジブリ飯の異名もあるようです
台湾の人はもちもち食感の食べ物が大好きだそうで、屋台で売られたり専門店もあるとか

日本では見かけない食べ物バーワン
迷路のような細い路地の両側にお店が並んでいます

ツァーコンダクターさんのお薦めで台湾ティーとお食事は、九份で一番有名な『阿妹茶楼』や『海悦楼茶坊』ではなく、『芋仔蕃薯茶坊』で頂くことに、当日雨だったので見晴らしの良いテラス席に屋根があるのがオススメポイントだとか

お店に行くまで鉱山体験のようなこのトンネルをくぐります
トンネルを抜けるとそこは浄土っぽいお店の前
左に見えるお店が『阿妹茶楼』、見える景色はほぼ同じ
お茶器は日本とはかなり違います
お茶菓子三種
左の器で香りを楽しみ、お茶を飲む時は茶碗へ

お茶を楽しんでいると、お店のオーナーさんが力を入れているという台湾中華が出てきました、大きな鍋に入っているのは具沢山の海鮮ビーフン、キャベツ・人参・たけのこ・タロイモ(里芋やセレベスに食感が似ています)・干豆腐のスープの中に、丸ごとのエビやイカが入っていました
写真を撮り忘れましたが、もう一つ『水連菜の炒め物』、水連菜は日本では手に入らない、台湾でも産地が限られている現地の高級野菜で湖に生える水草の一種です、絶妙な炒め方でシャキシャキの歯ごたえがとても美味しかったです

珍しい中華鍋、帰国して家で早速作ってみました
テラス席からの夜景、街の灯りが幻想的

お店のトンネルをくぐるとすぐ有名な『阿妹茶楼』に出るので、映える写真を撮る人でごった返していて、入店も一苦労の様でした、訪れるときは予約をするのが無難です

九份のシンボル・阿妹茶楼
オレンジ色の灯ろうが異世界へ誘います

ずいぶん前に観た『千と千尋の神隠し』ディテールを忘れてしまっていて比較できませんが、不思議な空間に迷い込んだような、でも楽しく美しい世界、世界中から人が集まるのが分かる気がします
九份をゆっくり観光したいという要望が多いのか、新しくホテルもオープンするらしいです、九份夜迷(私が勝手に付けた標語です)皆様九份の夜を存分にさ迷って下さいね

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