富士が浮かぶ群青の伊豆の海

旅行2日目は秋色の箱根からご褒美ステイ先の『富嶽群青』へ、伊豆にはよく訪れますが、熱海・伊東・下田のある東海岸ばかりで西伊豆に泊まるのは初めてです
夜はフレンチ会席と決まっているので、移動途中の沼津で夜と被らない地元イタリアン「コンレマーニ」で簡単パスタランチ

しらすとブロッコリーのオイルパスタ
マッシュルームとほうれん草のクリームパスタ

沼津からホテルに向かう途中、最近ゴールドの高騰でニュースにも取り上げられた土肥金山に立ち寄りました
土肥金山は室町時代から発掘が始まって、徳川家康の江戸時代に本格的に開発され、一時は海岸の狭い場所に『土肥千軒』と言われるほどの賑わいを見せます
佐渡金山に次ぐ2番目の産出量で、小判に代表される江戸時代の金貨として、当時の貨幣経済を支えました

土肥金山坑道の入口
総延長100キロもあったそうです
当時女性も働いていたのは驚きでした

土肥金山の話題はギネス認定されていた250kgの巨大金塊の展示、以前はお金のご利益が有るようにと触れる事も出来たのですが、時価約44憶を超えることもある「金塊とのふれあい」は、盗難に備えた保険料の高騰や安全上の懸念から2025年7月末で展示を中止、模型だけが置かれています
長らく世界一の金塊でしたが、2024年ドバイで300.12kgの金塊が展示され世界一の座を明け渡してしまいました
栄枯盛衰の土肥金山ですが、その役目を終えて現在は観光地として賑わい、この地の人達に今でもお金!?で貢献しているようです

チェックイン前にもう一つこちらは日本一という場所へ立ち寄りました、日本一があるとは思えない一見地味な本堂に、高さ5メートル重さ3トンの“ダルマ座像”が安置されています

本尊の達磨大師、優しげな仏像には無い気迫

達磨さんのマスコットで親しまれている中国禅宗の開祖である達磨大師、ユーモラスなお顔と違ってその人生は苛烈で波乱万丈、お堂にはインドの王族に生まれ釈迦の再来と謳われた前半生から、西暦520年中国に渡り布教と座禅に明け暮れ、最期は対立していた僧の毒により亡くなるまでが墨絵と文章で語られていました
不屈の人生にあやかって七転び八起きのシンボルになったご本尊、これからのシニアライフの健康長寿を祈願しました

生憎の雨の中『富嶽群青』に到着です、全8室スィートルーム、その全ての部屋から世界遺産を眺めながら贅沢な時間が過ごせます
2024年に新たに創設された「ミシュランキー」は、レストラン星と同じホテル版の指標として誕生、特に優れた滞在体験を提供するホテルに授与される評価です
2年目を迎えた2025年10月8日にパリで開催されたミシュランガイドの発表で、『富岳群青(ふがくぐんじょう)』はレストラン評価の一つ星に相当する1ミシュランキーを受賞しています
予約したお部屋は『波の風(なみのふ)』、今日は曇っていて霊峰を望めませんが、明日に期待して美食と温泉を楽しむことに!

お食事処はフロントの横、お部屋の名前を伝えるとそれぞれ個室に案内されます

 今日のコースのコンセプトは『大地と潮の薫る旬菜な味覚の奏膳』、こちらは自家農園と漁船を所有する網元の顔も持つ当ホテル、食材を可能な限り自給自足している経営姿勢もミシュランに評価されたポイントかも知れません

先ずはアミューズ、カリフラワーのブランマンジェ・ズワイ蟹・キャビア・コンソメジュレ
主張し過ぎない旬の素材カリフラワーに、やはり季節の蟹を合わせたあっさりとしたスタートの一皿

前菜は土肥の原木椎茸とフォアグラのテリーヌ バルサミコソース・蜜柑・胡桃サラダ・ブリオッシュを添えて
 伊豆は椎茸狩り等の看板が目に付くきのこの山里、肉厚で旨味の濃い椎茸とフォアグラの組み合わせが美味、ブリオッシュの軽さが前菜にぴったりです

フレンチ会席なので次は御造りの登場、向かって右がハギの薄造り、キモを添えてスダチやこねぎと頂きます
向かって左が本鮪と地魚2種、山葵も塩も地元産、安定の美味しさです

魚料理は、地元伊勢海老・鮟鱇(あんこう)・牡蠣のブイヤベース
素材の味を楽しめるようスープの味はサフランが効きながらも控えめな感じ、自宅でこの食材のブイヤベースは作れません、料理長さん、有り難うございました

肉料理は白糸牛フィレステーキ トリュフソース 地元野菜のロースト
富士の名水と山裾に広がる牧草地で育てられた白糸牛はとても上品な味わい、甘みや苦味のある地元野菜と一緒に食べると様々な味に変化します

お食事は和に戻ります、浜名湖鰻白焼き茶漬け
最初はそのままで、次に出汁や薬味と一緒にひつまぶし風に頂きます、白焼きとご飯の組み合わせは珍しいですが、とても美味しかったです

前もってデザートを果物に変更希望を出しておいたので、ハーブティーと一緒に

次の朝、達磨寺参拝のご利益があったのか晴れてくれました、群青の海の上に白い雪をかぶった富士山が拝めるのは、西伊豆海岸を訪れた人達の特権です

6︰36分 暗闇に紛れていた山の姿が現れてきました
6︰42分 ほんの数分で雪の頂きがはっきりと
6︰49分 朝日を浴びて神々しい霊山

朝食までの時間、ホテルの裏山を登って行くともっと素敵な御姿を見せてくれました、先日北斎美術館に行ったので、ここからのアングルの富嶽三十六景を探してみましたが見当たりませんでした、まさしく唯一無二の海に浮かぶ富士の姿がここに有ります

歩き疲れた後は和の朝食、品数が多いと思いましたが早朝の富士見ウォーキングの後でしっかり完食

食後の珈琲タイムはお部屋のウッドデッキで、富士を観ながらとにかく贅沢な一刻

帰り際主人が部屋の露天風呂にお盆とお酒を浮かべて飲めたら最高の気分だろうなぁと、如何にも昭和のお父さんの様な事を言ってましたが、半島全てが温泉地の伊豆、『富嶽群青』のお湯も最高でした

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