熱海の中心街を右手に見ながら、急峻な登り坂をしばらく上がっていくと、唐突に赤地に白文字の『営業中』というのぼり旗が目に飛び込んで来ます、一瞬こんな所に何のお店が・・・と思いますが、熱海には珍しい中国茶と飲茶の専門店『吉茶 松濤館』です
一度訪れたらすっかりファンになってしまって、今回もランチにお邪魔しました(本当に友人の別荘に訪れたような空間なのです!)



約10年位仕事で台湾に行くことが多かった主人が、現地の老舗台湾専門店を勧められて、我が家でも台湾茶を飲む事が習慣になっていたのですが、こちらのお店はどれを選んでよいのか分からないほど、バラエティに富んだお茶のラインナップ
オーナーに聞いてみるとお食事と一緒なら烏龍茶等の濃いめ、お茶だけなら清香と表示されているスッキリした軽めのお茶がオススメとのアドバイス
お食事に合わせて『凍頂烏龍十五年老茶』、デザート替わりに食後にお願いしたお茶菓子とペアリングした『玉山高山烏龍茶』をオーダー




台湾の玉山は標高3,952m、標高3,776mの富士山より高く、第二次大戦前まで日本統治の時代には「新しい日本の最高峰」として、明治天皇より「新高山」と名付けられたという歴史があります
大きな寒暖差とミネラル豊富な伏流水の恵みで、肉厚でフルーティーな香りと長い余韻が楽しめる貴重な茶葉だとか
食事が出るまで先ずは口当たりの良い『玉山高山烏龍茶』を楽しみました、急須も茶器も日本の標準の物の3分の1位の大きさ、熱湯を注いで少し待って、ピッチャーに移しそれぞれの小さな茶碗に注ぎます
より香りを楽しむ為、オーナーがもう一つ背の高い茶器を出してくれました、まずはこちらでゆっくりお茶の香りだけを楽しみ、小さめのお猪口のような茶器に移し替えて、もう一度お茶がなくなった右の器の香りだけ楽しみます、日本の茶道の嗜みは無いのですが、中国茶にも様々なお茶を楽しむ作法が有るのは面白い発見でした


お茶を味わっていると飲茶が届きます、まさしくお茶と頂く軽食中華なのでその名の通り飲茶なのですね、このタイミングで食事とのペアリング『凍頂烏龍十五年老茶』を頂きます
凍頂烏龍茶は凍頂山という場所で収穫されるウーロン茶のブランド、その中でも良質なウーロン茶だけを長期熟成した茶葉が老茶と呼ばれ、定期的に乾燥させカビの増殖を防ぐなどとても手間がかかるために、中には親から子へと受け継がれる30年物もあるそうです
凍頂烏龍茶は口当たりがよく飲みやすいので、ダイエット目的で水分補給代わりに飲む人がいますが、食事と一緒に摂らないと健康を損ないますと、オーナーから専門店ならではのご注意がありました
飲茶はすべてオーナーの奥様の手作り、小籠包は包を割ると肉汁が溢れるジューシーな一皿、大きめに切られた素材の歯ごたえが味わえる焼売は手作りならでは美味しさ、スペアリブの豆豉(トウチ)蒸しは初めて食べました、豆豉とは大豆や黒豆を発酵させた調味料で、深い旨味と特徴的な香りが魅力、どのお料理もしっかりと香ばしい濃いめの烏龍茶にとても合いました



最後のお茶菓子で『玉山高山烏龍茶』に戻ります、小さな茶器で飲むのは煎を重ねるごとに、濃さ・香り・味が変化して行く事を楽しむためだそうです

オーナーは昔仕事で台湾を訪れて、同じ銘柄のお茶でもお店によって味が違う台湾茶の奥深さに魅了され、ご自身のご両親が建てたこちらの家でお店を始めたという事でした
何度も来ないと全てのお茶を味わえないので、次は違うお茶を楽しみたいとまた1つ熱海に来る目的が出来ました
熱海の海と台湾グルメを楽しみましたが、やはりコーヒー党の私達は最後のシメに美味しいコーヒーは欠かせません
熱海の街中に最近オープンしたこちらは熱海で珍しいアフタヌーンティーも頂ける『熱海カフェ』、流石にもうお食事は入らないのでシンプルにコーヒーだけ注文
こちらのコーヒーは東京から熱海に移住してきたご夫婦が、珈琲好きが高じて焙煎所を開いた『カモメ珈琲豆店』(こちらのお店は豆の販売とテイクアウトのみ)のコーヒーが頂けます



時代の波の中で街は変容しながら、訪れる人々を温泉・グルメ・文化で癒してくれる、何度来てもまた訪れたくなる湯の街でした
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