黒曜石体験ミュージアム

蓼科山・八ヶ岳山麓のマグマの恵み

八ヶ岳と富士山に背比べのために樋を渡したら水が富士山に流れて八ヶ岳の勝ちとなり、怒った富士山の神様が八ヶ岳の頭を叩き割ったので今の峰々が残ったという伝説があります。

茅野市から望む八ヶ岳

特に南八ヶ岳には主峰赤岳(2,899m)をはじめ急峻な峰が連なり、首都圏からのアプローチが良いこともあって登山者の人気を集めています。
八ヶ岳は、日本列島を分断して南北に伸びる溝であるフォッサマグナの中で誕生した火山で、200万年という長い火山活動の歴史を持ちます。活発だった火山活動の後、特に南八ヶ岳の西側斜面は長い年月の間に風雨が山を削り、この急峻な地形を作りました。

これに対してややなだらかな北八ヶ岳で、白駒峰が噴火し川を堰き止めてできたのが白駒池です。標高2,115mにある神秘的な池で、周囲には数百種類と言われる苔が群生しています。

神秘的な天空の白駒池
白駒池付近の苔の群生
もののけの森

八ヶ岳と蓼科山の北西、白樺湖の近くに位置する鷹山(たかやま)。ここに黒曜石原産地遺跡があります。旧石器時代の3万年前から縄文時代にかけて黒曜石を採掘した跡です。
この辺りは星糞峠と呼ばれていますが、キラキラ輝く黒曜石は星のかけらのようで、中部高地で黒曜石が出土する遺跡は星糞峠のほか、星ヶ塔 、星ヶ台など星の名がつく高原地帯で発見されています。
黒曜石は、マグマが地上付近で急速に冷えてできる天然のガラスですが、どの火山でもできる訳ではありません。石を加工して道具を作るのは大変な苦労だったと思われますが、鋭い切り口になる黒曜石は加工しやすく、ナイフ状の石器や矢じりなどに使われました。旧石器時代には川底などから拾うことが多かった黒曜石ですが、縄文時代には穴を掘って採掘しました。産地から遠く離れた場所でも使われた跡があります。掘り出された黒曜石は、ふもとのムラからムラへと運ばれていき、ムラを結ぶ道は「黒曜石の道」となりました。八ヶ岳の山麓には、大量の黒曜石が集められた大きなムラが点々と存在していました。そこは良質な信州産の黒曜石を求めて遠くの地域から訪れる縄文人との出会いの場となり、東西文化の交流のネットワークが結ばれていました。

黒曜石体験ミュージアム

黒曜石体験ミュージアムでは、石器などの展示や説明から最新の研究成果を知ることができるほか、石器づくりなども体験できます。また徒歩30分に「星糞館」があります。是非お出かけください。

星くずの里たかやま黒曜石体験ミュージアム
長野県小県郡長和町大門3670-3
0268-41-8050
https://hoshikuso.jp
https://jomon.co/point/detail/55/

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