タリアセンと南軽井沢のグルメ

・蕎麦の名店『志な乃』
・ロードサイドにある個性的コーヒーの『丸山珈琲』
・カジュアルながら本格派フレンチ『メリメロ』
タリアセンの案内
・モーニングやランチも楽しめる『CLOUD Nine』
・朝食も充実している日本食の名店『御厨』
・レイクガーデンにある『イレブンシス ティールーム』

2026年夏 軽井沢グル巡り

今年も避暑と旅行を兼ねて夏の軽井沢へ、この10年位毎年訪れていましたが、他の旅行が忙しく約2年ぶりの軽井沢です
昨日まで猛暑の東京でしたが、いきなり気温が下がって軽井沢は羽織ものが必要な涼しさ、でも何時来ても気分を晴れやかにしてくれる空気感が有ります
軽井沢の楽しみのひとつは、何回来ていてもまだ未発見の新しいグルメレストランを探し当てる事

先ずは宿泊ホテル近く、軽井沢からタリアセン(塩沢湖)行きのバスに乗って、2年前には無かった『黒柳徹子ミュージアム』(黒柳徹子さんの衣装やコレクションの展示)経由、バス停・塩沢から歩いて3分、軽井沢バイパスのロードサイドのお蕎麦屋さん『志な乃』へ
厳選された国内そばの実をその日に必要な分だけを自家製粉、そばの実を挽き分けることにより、さらしな蕎麦(蕎麦の芯だけの白い蕎麦)・ おらが蕎麦(蕎麦の中程を中心に挽いた蕎麦)・田舎蕎麦(蕎麦の甘皮を残して挽いた蕎麦)の三種類を、浅間山の伏流水だけで打ち上げた十割蕎麦のお店です

ロードサイドの塩沢交差点の角、分かりやすい看板とお店
日によってはかなり待たされる事も、並ぶ人用の長椅子
メニューはスタンダードなお蕎麦が多い
私はさらしなとおらが蕎麦の両方が楽しめる相盛り蕎麦
主人は丸抜き蕎麦実(そば殻だけを取り除いたもの)を、お店で石臼挽きした自慢の逸品「石臼挽き蕎麦」、時間がかかるので数量限定

鰹出汁の風味が強い蕎麦つゆにくぐらせると、どの蕎麦も歯応えと香りがしっかりとしていてそれぞれ良さが有ります
日頃蕎麦はザラつきが感じられるぐらいの太めの田舎蕎麦が好きなのですが、ここのさらしな蕎麦は蕎麦の違う魅力を教えてもらいました
軽井沢の周辺は高原野菜の本場なので、軽めに揚げた夏野菜も美味しかったです、中でも種を取らずにそのまま揚げていたピーマンは、種の苦味が逆に味わいになっていて、料理を作って30年以上立っても新たな食材の調理法を発見しました

別荘地として発展した軽井沢、食通も多くそれぞれのテーマでグルメが楽しめるのもこの土地の魅力

信州そばを楽しんだ後そこから歩いて5分、『千住博ミュージアム』の斜向かいに、やはり軽井沢発祥の有名店『丸山珈琲』の軽井沢バイパス店が有ります
東京にも進出している『丸山珈琲』ですが、ホームページを読むとより良い珈琲を提供するために多方面の努力を積み重ね、地道に一歩ずつ現在のブランド力を築いていった歴史が感じられます

それぞれの珈琲の風味や香りをフルーツや食べ物に例えたユニークなメニュー、中にはランチと同じぐらいのお値段の珈琲も
スタンダードな珈琲を楽しみたい人向けのメニュー

せっかくなのでやはり個性的な珈琲を頼んでみました、後でショップを拝見すると、頼んだ珈琲の生産者の顔写真も載っていました

私はグアテマラのサンタ・イザベル、苦味とコクが強めです
こちらが生産者のルイス・バルデスさん、ラテン系のおじ様です
主人はボリビアのドン・カルロス、こちらもなかなか他では味わえない珈琲でした
2人の生産者のお名前が載っていますが、Tシャツにプリントされたローマ字を読むと、多分写真の方が珈琲の名前にもなっている、カルロス・マリアカさんかと

フレンチプレスで提供されるので1.5杯分ぐらい、少しお高いですがその分楽しめるので満足度は高いです、珈琲だけでなくフードメニューにも力を入れていて、8:00スタートという時間でモーニングから早目軽めのディナータイムまで、来店のお客様ファーストを感じられるお店でした

軽井沢らしいペット連れの人も利用しやすいテラス席
別荘地は基本クルマ移動なので、駐車場が広いのもポイントが高い

シェフの信州愛を食するフレンチレストラン
レストラン『メリメロ』の篠原シェフは小諸市出身、各地で経験を積みながら、約25年前地元信州の食材の豊かさや美味しさに魅了され、軽井沢で念願のお店を開業
ホームページのブログを読むと食材探しに山に入りプチ遭難や熊との遭遇等、まるで探検家のようなエピソードを綴っておられて、探検家シェフの一皿をしっかり味わいたくなって、久しぶりディナータイムに再訪しました

塩沢交差点から直ぐの別荘住宅地の中の一軒家
アットホームなオープンキッチン

ディナータイムはメイン1択か、フルコースのどちらかを前もって決めて予約、私達は前者です
先ずはスパークリングワインと、フレンチに合うよう甘さを抑えた限定300本の巨峰ジュースで乾杯

アミューズの「トウモロコシのエスプーマ」
ポップコーンを乗せているのが、言葉通りポップです

冷前菜の「レバーと信州味噌のパテ ルバーブとフランボワーズソース」
柔らかめのパテとソースをトッピングされた米粉のお煎餅につけると和洋のコントラストが楽しい一皿に、ミョウガと山ウドのピクルスも名脇役としてよい仕事をしてくれています

米粉と全粒粉のパン、米粉にする事であっさりした感じに

温前菜の「鮎のコンフィ ナスと蓼酢・鮎の魚醤のソース」
低温でじっくり揚げた鮎を最後に高温で仕上げ、ピスタチオや青のりを添えた一品、全部食べられますとの事なので全て頂きました、少し骨が当たる事も有りましたが、身はほろほろで香ばしく魚醤という調味料でアジアンテイストに、これも店名のフランス語でごちゃ混ぜというメリメロらしい一品です

「スープドポワソン」
フランス語で魚のスープ、ハーブの香りと魚の出汁で日本的な味のフレンチ、添えられているパルメザンチーズの薄焼きをスナックの様に食べたり、割ってスープ入れて味変したりと楽しめます

次はメインの「アカムツのコンフィ ジュ・ド・ポワソン ヴェルベーヌ・サフラン」
ハーブの爽やかな味とサフランの香りが白身魚と合っていて夏にピッタリです

主人のメイン「豚フィレ肉のスカモルツァチーズ焼き 青りんごのソース」
今回初めて知ったスカモルツァチーズはイタリアのモッツァレラをスモークしたのもの、野菜に乗せて焼いたり、そのままでも食べられるとてもポピュラーな食材

このレストランの定番、ストウブで炊いた古代米の炊き込みご飯、高山根曲竹と豚足、この流れもメリメロ・ごちゃ混ぜです

デザートは「信州サワーチェリーのパルフェ 抹茶チュイールと」
クリーム感の強いアイスクリームと酸味が効いたチェリーのソースがコースの終わりを爽やかに締めくくります

小菓子も軽井沢らしくお洒落

予約時に一皿の量を少なめでお願いしましたが、それでも私達の年齢にはかなりのボリューム、最後のご飯はお持ち帰りをお願い出来れば嬉しいのですが、次訪れる時はリクエストしてみたいと思いました

軽井沢2日目、昨日は断続的に霧雨が降って寒く感じるぐらいの天気でしたが、今朝は薄曇りの散策日和に、ウォーキングもかねて宿泊ホテルから近いタリアセン(塩沢湖)へ、タリアセンはケルト神話に由来して、「知恵者」であり芸術をつかさどる妖精「タリエシン」からきていて、その名の通り湖のほとりに文化的な施設が点在しています
タリアセンはフォトスポットエリアがA〜Eに分かれていて、ゲートを入って左手に行くとローズガーデン(A)、まっすぐ行くと中の島からペイネ美術館(C)、薔薇は季節が終わっているのでエリアCから散策

午前中の空いている時間に行ったのですが、開園9:00前既に人が並んでいました
湖に向かうウッドデッキ
中の島にかかるアーチ

入口からまっ直ぐ歩いて橋を渡ると、レンガ色の木造建築にたどり着きます、こちらはフランスのパリの画家でデザイナーだったレイモン・ペイネの美術館、最愛の奥様との愛情あふれる絵を描き続けた作家です

中の撮影は出来ないので、看板のペイネ作品を
豪華な美術館というより、大きな鳥の巣箱の様な森にとけ込む建物
お幸せそうなお二人
美術館の完成時はお二人とも健在で、オープニングセレモニーに来られたとか、愛情表現豊かなフランスならではの銅像

作風にあやかってペイネのラブラブな絵を待ち受け画面にすると想いが叶うという伝説が、意中の人がいる方はトライしてみて下さいね
ペイネ美術館から湖のほとりを登って、ちびっこ広場(D)を通り過ぎると、エメラルド色の瀟洒な建物が見えます、旧軽井沢郵便舎だった建物をタリアセンに移築、現在こちらは『深沢紅子 野の花美術館』になっています

こんな郵便局なら用事が無くても行きたい
作品は撮影できませんが、1階の売店の商品群に作品の絵がプリントされているので、雰囲気が伝わるかなと
少女の絵も好んで描いた女性画家で、「友人の顔をスケッチするつもりで花の絵を描く」、という味わい深い言葉を残しています

もともと盛岡出身の方ですが、20年ぐらい堀辰雄の山荘を夏のアトリエにして、浅間高原の多くの野の花を水彩で描き、軽井沢に集う著名な文学者とも交流、その縁で本の装てんも手掛ける事が多かったとか
その建物から少し下り気味に降りていくと、ジブリ映画『思い出のマーニー』の湿っ地屋敷のモデルと言われている『睡鳩莊(旧朝吹山荘)』があります
アメリカ出身で名建築の数々を日本に残したW.M.ヴォーリズの設計で、当時の財界の重鎮・朝吹常吉の別荘として昭和6年に建てられ、その長女でありフランス文学者でも有名な朝吹登水子さんが、夏場を過ごすためこの建物を引き継いでいました

水辺に映える別荘
ご家族で暮らしていた時、特にお気に入りだったという薪の暖炉があるホール、この日は現代アーティストの越ちひろ展会場に
横からの見た睡鳩莊、野の花を添えると軽井沢らしい趣が、映画のモデルになるはずです

タリアセンのゲートを出て右手に進むと、浅間山のすばらしい眺めを望める塩沢湖畔で、軽井沢の豊かな文学世界を体験してもらう為に、昭和60年8月に開館した軽井沢高原文庫(B)が有ります
100年以上前から日本の中の西洋と言われ、高原の避暑・別荘地として数多くの作家・詩人たちに愛され、同時に多くの文学作品の舞台となってきた軽井沢、その軽井沢文士村とも呼べる施設が点在しています
最初に泥川という一級河川を渡った先に、作家・有島武郎ゆかりの建物『浄月庵』が見えます、エリート官僚で財界人であった父・武が、明治末期から大正初期に三笠に建てた別荘を譲り受け、1916年(大正5年)から毎年夏を家族と共にこの地で過ごしていましたが、後に文豪たちを魅了した美貌の女性編集者と道ならぬ恋に堕ち、45歳の時共に人生を終えた作家の終焉の場所となりました
有島家は当時の財界、芸術家、芸能関係との縁戚関係が深く、親族も多方面で活躍した人材の宝庫だったようで、有島武郎の心中事件は知識人から、同情よりも「少女趣味」、「不正の死」との批判も多く、それだけ早すぎる死が悔やまれたのかも知れません

泥川の名前の由来が分からない清流と溢れるような緑
1Fはライブラリーカフェ「一房の葡萄」、2Fは有島武郎記念室として公開されています

作家の作品名のカフェに立ち寄ろうとしたら、開いていませんでした、後で確認すると閉店中の3文字が、ホームページは良く読むべきでした
その浄月庵から道路を渡った所に、旧軽井沢から移築した堀辰雄が愛した山荘、やはり移築された野上弥生子の書斎、前庭に立原道造”詩碑”、裏庭に中村真一郎文学碑が建立されているなど、明治・大正・昭和・平成と続く、軽井沢ゆかりの文学者たちの歴史を見ることが出来ます

堀辰雄の山荘、軽井沢を舞台に薄幸なフィアンセとの別れを描き、映画化もされた「風立ちぬ」が有名
「女性である前にまず人間であれ」と後進を叱咤激励した野上弥生子先生の書斎
軽井沢高原文庫の展示資料館

ちょうどこちらで軽井沢にアトリエを持ち、「軽井沢の山中独居で学んだものは計り知れない」と、この土地の魅力を語っていた日本画家・堀文子展を開催していました  
81歳で代表作『幻の花 ブルーポピー』を描くために、ネパールの標高五千メートルの山々へ花のスケッチを敢行、その過労がたたったのか83歳の時生死の境をさ迷い、目覚めてから自分の細胞一つ一つが必死に生きようとしたとの名言を残しました
その経験から微生物の活写に画家としての生きがいを見出し、100歳の命尽きるまで、生命の賛歌を描き続けた方です、絵画は詳しくないのですが代表作は美しいだけではない、花の荒々しい生命力を描いた傑作と、どなたかが書いていた事を思い出しました
実際の絵は何処に行けば見られるのか調べてみましたが、私は見つけられませんでした、やはり幻の花なのでしょうか

堀 文子展 いのちのつながりのポスター

この日のランチは宿泊ホテルから歩いて5分の『CLOUD Nine』へ、去年オープンの新しいお店です、店名である“ CLOUD Nine “(クラウドナイン)とは、「最高に幸せな気分(有頂天)」という意味があり、これは第9の雲(積乱雲)が最も高い位置にあることから、「最上級の幸せ」を表すのだとか
別荘や長期ホテルの滞在者には有難い、7:30〜10:00のモーニング、11:30〜15:00のランチ、7:00〜17:30カフェ、完全予約制で18:00〜ディナーに加えて、ケータリング・出張シェフ・キッチンカー・フードロス対策等を手掛けている、いつ休んでいるのですかと心配になるオーナーのお店
ランチは本日のメイン・パスタ・キッシュの3択ですが、キッシュが無かったので、メインとパスタをオーダー

お店は花に囲まれて軽井沢らしい
ウェイティング中のお客さんが飽きない工夫にほっこり
テラス席か店内かを聞かれて迷わずこちらへ、テラス席はこじんまりしていますが、軽井沢の風は何よりのスパイス、食事が数段美味しく感じます
サラダとパンとスープが付いてきます、フォッカッチャが美味
イタリアハーブのミートボール・サルシッチャのパスタ
鶏もも肉のコンフィ、低温調理でジューシーな食感、野菜の鮮度は抜群です
デザートはブラマンジェ・ミックスベリーソースとレモンのジュレを添えて、食後私はカプチーノ主人はエスプレッソ

個人的な好みでもう少しアルデンテでオイリーなパスタが好きな私は、少し物足りなさが有りましたが、コース全体のバランスが良くとてもオススメ出来るランチです、カフェ利用も出来るので珈琲だけ飲みに来てもOKのクオリティでした

軽井沢の里山に日本食のふるさとが
お洒落な旧軽銀座やアウトレットから車で約10分、ホタルの里や地域の物産店が集まる発地市場からも近い場所に、とてもオススメの和食の名店が有ります
ここは軽井沢の一般的なイメージとはまた違う自然豊かな里山、その中でできる限りお店の側で育てた野菜とカマドで炊き上げる、素朴で有りながら雑みのない和食を提供してくれるのが『御厨(みくりや)』

築100年の古民家を移築した店内、主にファミリーが案内されるお座敷とテーブル席
ペットちゃん連れ専用のテラス席、軽井沢らしい配慮も
お店の裏庭の菜園
中央の囲炉裏も味が有ります

モーニングとランチ、それぞれ3択ですが一品料理もあって充実しています、私はシンプルに卵かけご飯セット、出汁が効いた根菜たっぷりの豚汁、湯豆腐、きんぴら、コロッケ、日本人なら喜ぶメニューのオンパレードです
主人は信州味噌と出汁で味付けされている、朝のとろろ汁膳、オプションで卵を頼んでTKGも楽しめました

お櫃に入れてくれる2人分のご飯は少しおこげも残っていて、若い人たちにも十分な量、充実した朝ごはんでエネルギーチャージ、軽井沢を楽しむスタートにピッタリのお店です
(予約サイトは下記)

御厨

軽井沢の南にあるレイクガーデンの側にある『イレブンシス ティールーム』へ、ガーデンはヨーロッパ調のオブジェや店舗・ホテルが湖の周りに点在して、日本であることを忘れる素敵な場所、今まで2回ほど訪れているので、今回散策は割愛し次の予定時間まで軽井沢の風を感じていました

入口が分かりにくいですが、店名では無くイギリス国旗とツインのウサギが目印
渡り廊下からテラス席の景色
直ぐ近くのショップ、イギリスやヨーロッパ調の小物のディスプレイが素敵
イギリスティータイムの定番スコーンとエリザベス女王のミニチュア
イギリス中世からの伝統菓子キャロットケーキ
お洒落なティーカップを期待しましたが、シンプルな器とティーポット、お茶は美味しかったです
キッチンの目隠しにも美意識を感じます

軽食も充実していてランチの人が多そうでした、直ぐ隣に有名なブラッセリーもあるので、このガーデンが一番見頃を迎える薔薇の季節にまた訪れたいです

多数の季節が共存する軽井沢の不思議
軽井沢は標高が高く雨が多く、昼夜の寒暖差のある独特の気候で1日の中で季節が入れ替わり、晩春、梅雨、夏、秋の草花が並行して咲いている珍しい場所
清涼な空気と水のおかげで花々が魅せる瑞々しい風情は、画家や作家の感性を呼び覚まし、インスピレーションを高める魅力があるのでしょう、その姿を最後にお楽しみ下さい

シーズンは過ぎましたが名残のように咲いているベンジャミン・ブリテン
紫に見えますが薔薇名はラプソディインブルー
8月の初旬、こんなに紫陽花が生き生きと
秋の七草、おみなえし
同じ七草の桔梗
花ではないですがキノコの山
野菊だと思います
でもやっぱり夏でした

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