足利フラワーパークとグルメ

天下人の郷は花と学びの里

4月は奈良の桜巡礼でしたが、5月は藤を観に足利フラワーパークへ、奈良吉野の記事はこちらです
時間差で咲くように大藤のピークが過ぎても、様々な藤を楽しめるとの前情報だったので、混雑を避けてゴールデンウィーク明けに旅行計画を立てていました
でも残念ながらやはり温暖化の影響なのか、藤の満開はゴールデンウィーク前で、今回はほとんどの藤が終わっていました
それでもフラワーパークの名前通り、園内は薔薇とクレマチスが満開、見応えの有る花々の姿を楽しむ事が出来ました、それぞれの品種に名前や出身地の記載があって、一つ一つの薔薇に歴史や育てた人の思いが伝わって来ます

インスタ映えする薔薇庭園
クリーム色の白に淡いピンクがはかなげなマチルダ
モーリス ユトリロに捧げられた薔薇、他にセザンヌやシスレーという画家の名を冠した薔薇もあるそうです
黄色が眩しいほど鮮やかゴールドバニー
ローズ・ポンパドゥール

ローズ・ポンパドゥールはフランス革命前夜のルイ15世の治世で、王の寵妃でありフランス宮廷のファッションリーダーだったポンパドゥール夫人が好んだピンク色の花を咲かせる事で、この名前になったようです

花のピラミッド
晴天だと結構暑いので、ストロベリーティーで一休み

薔薇と同じ季節に咲くのでイギリスでは薔薇をキング、こちらをクイーンと呼ぶクレマチス、日本ではカザグルマと呼ばれていた花が、江戸時代ヨーロッパに渡り、品種改良を重ねて大輪の花となり、再び日本へともたらされ総称『クレマチス』と呼ばれているようです、日本を飛び出しグローバルな経験を積んで大きく成長し、故郷に錦を飾った花のサクセスストーリーです

一般的イメージはこちら
薄紫が素敵
同じクレマチスでもとてもゴージャス

クレマチスの花言葉は『旅人の喜び』、その花言葉からインスパイアされたのかはっきりした資料はありませんが、復原された赤レンガの東京駅丸の内駅舎について勉強する機会があり、ドームの天井を彩る彫刻にクレマチスの花が採用されていました

列車の車輪をイメージした中央のレリーフを囲む白いクレマチスの彫刻

足利フラワーパークは当地の名士が庭に大藤を植え、その藤を近隣の人たちに鑑賞してもらおうと『早川農園』として開園、その後パーク整備に膨大な投資をしましたが、花の季節以外来園者が少なく何度も倒産の危機に直面しました
その度にここでしか見られない地域に根付いたオンリーワンの感動を目指して、質の高いサービスを社員全員で創意工夫を繰り返し、今では2014年にアメリカCNNが「世界の夢の旅行先10カ所」(日本としては唯一)として取り上げられ、国内だけでなく世界中の観光客をも魅了する一大観光施設となっています
因みにこの時一緒に取り上げられた旅行先に、アマルフィ海岸の教会ホテル、オーロラ観測が出来るフィンランドのガラスドームホテル、世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフのヘイマン島等があります
ここは大藤だけでなく早春の梅、チューリップや桜、藤が終われば薔薇、クレマチス、菖蒲、睡蓮と季節ごとの花で来園者を楽しませ、夜はイルミネーションが園内を幻想的に彩ります、今回大藤は見逃しましたが、また是非訪れたいと思う花の里でした

足利は名前の通り源氏の末裔で関東武士の一族足利氏の出身地、日本で初めて武家政権を樹立した源頼朝と共に平氏を打倒、反幕府の承久の乱の時は幕府軍の中心となって戦さを勝利に導き、源氏が途絶えた後実権を握った北条氏と幾重にも婚姻を結び、有力氏族として鎌倉幕府を支え続けます
しかし鎌倉政権が求心力を失うと、元々は主家筋源氏の出身である足利氏は北条氏に反旗を翻し、天下人として足利室町幕府を樹立します、京都を拠点とした足利幕府ですが、鎌倉幕府が滅亡した後も関東武士の中心地・鎌倉は重要な場所でした
尊氏の次男が鎌倉公方として関東を抑えましたが、代が進むにつれ独自色を出して本家と対立、応仁の乱の前後になると関東武士もそれぞれ主君を変えて勢力争いが絶えなくなり、関東の足利氏は古河の地での公方職を最後に歴史の中へ消えていきます
また武力だけではなく学問も重視する文化があった足利、室町時代には学徒3000人、明治維新まで続いた日本初めての学校『足利学校』が創設された場所、当時としては珍しく身分を問わず向学心があるなら入学が許可され、儒学だけではなく易学、史学、医学を自学自習とディベートを通して複数の領域を学び、実社会の問題解決を図る現在のリベラルアーツ大学のような学問所だったようです、源氏から足利、関東武士と足利学校の詳しい記事はこちらです
足利学校の出身者に徳川家康に重用され、江戸幕府創生期の参謀のような役割を果たし、齢100歳を超えて三代将軍家光の治世にも影響を与えた、日光東照宮の立て役者・天海僧正も10代の頃この学校で学んでいました、日光東照宮の記事はこちら

この足利学校から徒歩8分、美しい風景とグルメはいつもセットの私達は『京かのこ』でランチを楽しみました

看板は小さめ、お店はビルの2階にあります
すべて個室で昼夜共に予約のみの営業
足利の支援学級の課外活動のブドウ畑から始まり、サミットやファーストクラスに採用されるまでになったココファームワイナリーも楽しめます

まずはカリフラワーのすり流しと焼きゴマ豆腐、カリフラワーは西洋料理の食材というイメージですが、あっさりとした日本の出汁との組合せはなかなかのアイデア、焼くという調理法は初めてのゴマ豆腐、表面を少し硬さが出るぐらいに焼き上げ、煎りごまをふんだんにかけてさらに香ばしく、そこに練りゴマも加えるという一皿にゴマの美味しさすべてを凝縮したような一皿

お造りはインドマグロ・スミイカ・シマアジ、出汁のジュレを添えて、お醤油だけだと味が平凡になりますが、ひと手間かけてさらに味わい深くなっています

口取りは定番の玉子焼き、巻海老、穴子と青椒、山ウド、竹の子等の旬の野菜が縞模様の様に並びます、野菜はすべてがちょうど良い歯ごたえに調理されています

ハマグリのしんじょう、蓬麩、木の芽おろし、海の幸と山の恵みの両方が頂ける嬉しさ

山菜とちりめんの炊き込みご飯、山ウドと大根の漬物、豆腐とほうれん草の味噌汁、一つ一つ土鍋で炊いたご飯は日本人の郷愁を誘います、山菜とちりめんの組合せも絶品

ほうじ茶アイスとコーヒー、どちらも焙煎系の味で食後の満足感をさらに高めてくれました

味付けは全体的に優しく、京料理よりも素朴な和食という感じですが、一品一品とても丁寧に作られていて、足利の花を観賞した後ゆっくりとグルメが出来るオススメのお店です

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