美しい桜を楽しんだら同時に美食も楽しみたい、そんな希望を叶えてくれるのが、京都・奈良の素晴らしいところ
知り合いが若い頃長くヨーロッパで暮らしていて、その時の友人達から桜の季節になると京都案内を頼まれるそうですが、あまりの混雑で風情がかき消されてしまうので、奈良を提案すると旅行が終わる頃にはすっかり奈良派になるそうです(近鉄CMのサクラではありません)
日本食の王道は京懐石だと思いますが、今回の旅でなかなか奈良の美食も捨てたものではないと再認識、奈良に都が置かれたのもこの地域の土地が豊かで、その時代の食糧生産性が高かった事が理由の一つだったとか



奈良一日目のホテル・老舗旅館をリノベーションした『飛鳥荘』はお料理旅館としても有名、興福寺・奈良公園・奈良町は歩いて数分、地の利の良さは抜群です





お食事は個室で頂けます、街に出かける必要が無いのがお料理旅館のメリット、主人は早速オススメの地酒3種をオーダー

先付けはほたるいか・新若芽・行者大蒜・辛子ジュレ・花弁大根、爽やかな酸味で始まりました

八寸は右上から、桜鱒桜葉寿司・酢取りミョウガ・一寸豆(そら豆が一寸・3cm大のもの)・蒸鮑とふきのとう味噌・蕗と新玉葱の浸しと桜えび、すべてシンプルで優しい味です

煮物椀は左から油目(アイナメ)葛たたき・たらの芽・花柚子・玉子葛豆腐の清汁仕立て、小骨が多い白身魚が丁寧に下ごしらえされて、ほろほろの食感と葛の薄い衣に出汁の味が閉じ込められ、花柚子の香りと苦みが良いスパイスに

お造りは天然鯛と初鰹、スタンダードなお造りですが、濃いめの土佐醤油が一味違う仕事をしてくれて、それぞれ皮だけ炙って添えてくれているので、焼きの香ばしさも味わえるという、料理長さんのアイデアが光ります

焼肴は福子(セイゴ→フッコ→スズキとなる出世魚)ヨモギ味噌焼き・新馬鈴薯とびこ和え、脂ののった白身にヨモギの風味が味噌と調和して春を頂く感じです、添えてあるのは瑞々しい新じゃがをソーメンのように細く切ってとびこと和えたもの、どちらも初めての斬新な味覚

油物はうすい豆のかき揚げ・稚鮎の薄衣、グリーンピースを改良した春から夏にかけてが旬なうすい豆はホクホクの食感、このかき揚げは山椒塩で、稚鮎は一般的な蓼ではなく木の芽酢で頂きます、全て春らしい素材がより美味しくなるように、香辛料や調味料のチョイスが素晴らしい

名代は黒毛和牛と山菜鍋、多分この近くの里山で採れた、竹の子や芹・うるい・蕨等の新鮮な山菜を出汁の中に入れて、山菜の苦味や香りが味付けにもプラスされた鍋に、和牛を潜らせます
意外な組み合わせは秀逸で、こんな食べ方があったのだと感心しました

お食事は奈良県産ヒノヒカリ、香の物は名前から分かる通り奈良県特産の奈良漬け、留椀も美味しいです

水物は桜香大福とせとか、大福というメニューですが古都華(ことか)という奈良県の糖度が高い高級イチゴを、薄い求肥のような皮で巻いた和菓子風デザート、せとかは様々なオレンジを掛け合わせ、それぞれの良い特徴を受け継いだ品種、その濃厚なコクと甘みは「柑橘の大トロ」と呼ばれるフルーツ、確かに手を加える必要が無い美味しさでした

お料理もお部屋も大変オススメの『飛鳥荘』ですが、興福寺の五重塔の修理は2033年まで続くそうで、やはりホームページの景色を見るとお部屋から興福寺を眺められる眼福は捨てがたい魅力が有ります
まだ約7年かかりますが、タイミングが合えば奈良も『飛鳥荘』も是非再訪したいと思いました
もう一つ街歩きのランチにオススメのレストランは、『るるぶ奈良』に載っていた奈良町元興寺近くの『旬菜ひより』、大和野菜の美味しさに魅せられたオーナーが開業したお店で、自家農園で丁寧に育てられた素材を一品ずつ提供してくれます










旅行最終日東大寺南大門前近く、明治2年創業奈良漬の老舗『森奈良漬店』に立ち寄りました、それぞれの素材の特徴に合わせて、時間や漬け方を変えているという徹底した品質管理、東京に帰ってからもしばらく奈良の味を楽しめました、奈良の大和グルメ本当にご馳走様でした














































































































































































